代表取締役社長  金鹿 研一

 

 

私は、説明会で必ず自ら学生さんたちにお話するようにしています。まず、何を語るか。「心・技・体」という言葉を入口にします。仕事だけでなく、何をするうえでも不可欠な3要素です。ただ、「技」や「体」に関しては、人事部からも充分な説明がありますし、HP等でもご確認していただけるかと思います。そこで私は「心」に関して、つまり「ハート」や「想い」の部分を直接学生さんに伝えるようにしています。英国風PUBへの想い、HUBを通して日本でPUB文化を創造したいという情熱をです。
なぜ、社長の私がすべての学生さんに直接話をしなければいけないか。デジタル社会の今、言葉を伝える媒体はたくさんあります。私も携帯などを使いこなすデジタル人間です。アナログに固執しているわけではありません。それでも、人間の心を伝えるには、やはりライブに語りかけるのが一番だと思うのです。声高な主張ではなく、呟きや囁きのニュアンスまで感じてもらえるからです。
ハブでは、「技」の部分など、デジタル化すべきところは徹底して数値化しています。例えば、HUBの代表的なメニューのフィッシュ&チップスは、180℃の油で5分間揚げると決められています。勘や経験だけで作ると味にバラつきがでるからです。同質で均一のサービスを提供するにはデジタル化が大切。しかし厨房以外、カウンターより外は、きわめてアナログな空間にしています。お客様の心を癒すためには、そこの部分だけは徹底的にアナログであり続けたい。説明会ではそんな話をしています。これは、ほんのさわりの部分ですので、まずは当社にいらして頂き、社員や私の話を聞いてみてください。そしてHUBのお店を見てください。きっと私たちのハートをわかって頂けるはずです。

 

 

次に、ハブの今後のビジョンについてご説明します。これからハブに入ろうと考えてくださる皆さんには、気になるところでしょう。現在、ハブは東京23区を中心とした首都圏、関西圏、中部圏で40店舗以上を展開しています。今後は、他の経済圏の中心地、例えば北海道なら札幌、東北ならば仙台といった都市に地域の核を作っていきたいと考えています。それを実現し、10年以内に100店舗体制を確立するのが、当面の目標です。
私たちが日本で英国PUB文化を根づかせ、開花させようとしてきて長い年月が流れました。しかしまだ、ようやく蕾となり、花が咲こうとしている段階だと捉えています。私は、強引な拡大路線や新業態の展開を推進しようとは考えていません。私たちはそもそも「PUB」というニッチな市場に参入したからこそ、業態そのものにもっと磨きをかけていきたい。円をどんどん大きくするより、少しずつ広げ、深めながらスパイラルに上昇させていくことを望んでいます。
あくまで『HUB』をメインにしつつ、新業態としては『82ALE HOUSE』も立ち上げました。従来店が2030代のお客様が中心であるのに対し、3050代のお客様をターゲットにした店舗です。「本物」「美味しさ」にこだわり、憩いの場として心が癒されるような、まさに「都会のオアシス」的なお店づくりをしています。少子高齢化が進む今、団塊世代を含む中年・熟年層がコアターゲットになることは確実です。そんなマーケットの状況を適確に把握し、戦略的に『82ALE HOUSE』への軸足をかけていきたいと考えています。

 

 

私たちの仕事は、フードサービスです。2006年に大阪証券取引所のヘラクレス市場に上場したこともあり、以前より「企業」としての認知・信頼が強くなったのは当然ですし、大変ありがたいことです。学生さんにとっても、就職先の企業としての信頼感が高まったかと思います。そんな時だからこそ、皆さんが就職先に当社を選んで頂いたときに、あえて皆さんに自問自答して頂きたい事があります。「あなたは商売が好きですか?」と。「商人(しょうにん)」には、相反する別の意味の表現があると私は思っています。「笑人」と「傷人」。もちろん、お客様を不快にさせたり傷つけたりするような「傷人」は論外。ドリンクやフードやサービスを通してお客様を笑顔にし、自分も心から笑える人。つまりサービス業が大好きな人が「笑人」です。「商い」とは、お客様が「あきない」、「飽きさせない」こと。「笑人」であり続け、お客様を絶えず「飽きさせない」サービス精神旺盛な人。そんな人財を求めています。
私たちは、まだ発展途中の企業で、規模もさほど大きくありません。その分、社員一人ひとりにかかる責任も負担も重くなります。だからこそ、新人の方はただ入社するのではなく、自分がその企業のメンバーの「同志」になったと考えてほしい。私たちの理念に共鳴し、実現に向けて共に働く仲間になって頂きたいのです。人が好きで、志を持つ人であれば、あとはその人の個性次第です。組織人として会社のレールの上を走るのはある意味宿命といえますが、走る列車(皆さん自身)はブルートレインのようなキラリと光る存在であってほしいのです。
当社には、年齢やキャリアだけの上下関係はありません。例えば、メニュー提案ですが、アルバイトさんから、社長の私まで等しく提案権があるのです。ただ、私には決裁権がない。みんなで美味しいかどうかを決める訳です。残念ながら私の提案はよく却下されます(笑)。他の仕事に関しても同じです。手を挙げて、声を出す人を尊重し、チャレンジしてもらいます。ぜひ、私たちの同志になってください。とにかくまず、私の話を聞き、お店を見てください。

 


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